
庭のメグスリノキが紅葉してきました。陽のあたるところはきれいに赤く色づいているのですが、あまり陽のあたらない箇所はまだ緑です。メグスリノキは紅葉がきれいだ、と言われ、植えてもらったのですが、やはりきれいですね。落ち葉掃きは毎朝大変だけれども、目の保養になります。

たまには趣向をかえて、庭の木の下でパチリ。
ここのところ、明鏡止水の純米酒「垂氷たるひ」をお燗で呑んでます。まるい味わいでなんにでもあいます。お燗されない方にもやさしい味わいの純米酒なのでおすすめです。
ところで、最近読んだ田辺聖子さんの「食いにげ」という小説にとても面白い箇所があったので引用させていただきます。
「酒といえば太地喜和子さんもそうでしょ、お酒飲んで酔っぱらっての事故死だったじゃありませんか」
おかーはまの論調はいよいよなめらかに、オトーサンも今は口をはさまず、久留美も妹も耳傾けています。ぼくは太地さんの名が急にでてきたのでびっくりする。
「太地さんとお知り合いでしたか」
「いいえ。でも、わかりますわよ。心労をお酒でまぎらせていらしたんです。太地さんは五十ちかく、家庭もなく、子供もなかった方でしょ、女としての人生もすでに終わりじゃありません?とうとう子供を持てなかった、というやるせなさ淋しさが、あの方にお酒を飲ませたんです」
(ちょっと、違うなあ)
とぼくは思いました。太地さんのお芝居も見たことありますし、テレビでも見た。ぼくは太地さんの熱烈なファンというのではないのですが、でも好きな役者さんでした。何とも素敵な魅力があったなあ、と惜しんでいます。でも、子供や家庭がない心労を酒でまぎらせるという次元のものではないように思います。・・・・
私はお酒も好きだし、太地喜和子さんのように明るい笑顔のきっぷのいい女性になりたいなあ、と思っているので(酒の飲み方も)けっこう、この箇所には笑ってしまいました。
でも、若い人は太地喜和子さんって知らないかな~。「男はつらいよ」の夕焼け小焼けに出ています。私の中ではこれが「男はつらいよ」の中では一番面白い!なんてたって、寅さんがふられていないのです。見たことない方はぜひご覧ください。太地さんがとても色っぽいです。